Memory of Your Voice Rust

【声の記憶】気がつくと、見覚えのある路地に立っていた。後ろを振り返ると、ただ壁が寂しくおいてある。冬の寒さが肌を刺激し、夕方の商店街の隅で少し立たずんだ。僕はそこから動き出し抜けだすと、そこは親子が行き交う商店街。安堵と寂しさが胸を埋め流…

Memory of Your Voice Rust

【声の記憶】気がつくと、見覚えのある路地に立っていた。後ろを振り返ると、ただ壁が寂しくおいてある。冬の寒さが肌を刺激し、夕方の商店街の隅で少し立たずんだ。僕はそこから動き出し抜けだすと、そこは親子が行き交う商店街。安堵と寂しさが胸を埋め流…

Iron Steam End

その広がった静けさが増し、不意に血痰を吐いた。 相当な疲労と敵の精神攻撃、横腹の傷が少しずつ体を蝕んでいた。もう持たない。そんなことが分かる。 こいつだけでも...生きさせよう。そう思い、そして決意した。私はラウンジに近づきポケットから紙をだす…

Iron Steam I

「なにかいるな。ビルの低層階だ。あと地下階段の入り口。」 パークは私たちの進行を止めた。 気づかなかったが、なにか機械が設置されている。これはもしかして。 「まずい。ワープ装置だ。しかもこれは…」 見たことがある。まさかあいつが来るとはな。 「…

Iron Steam H

「そろそろここは出たほうがいいな。行くなら国外のあいつの家に行くのが賢明だろう。」 名案だ。私達は国外に行かなければ追跡は解けない。まだ残っているなら、ソウトカイラ。あの人の家に行くのが一番いい。 「すぐにでも行かないと封鎖されそうだからす…

Iron Steam G

正面の階段から降りてきたのは、体中機械だらけの大きな男。手にはガンランスとガントレットが装着され、チェーンを体中に巻いている。そして、男が手を挙げると、ガントレットが光りだし、略奪品の中から同じ光が見えた。完全に包囲されている。私はラウン…

Iron Steam F

朝になり、私は朝飯を作るために早く起きた。 適当にありあわせのもので朝食を作り、他の奴らが起きるまでパソコンで色々調べてみる。 ふと地図を確認しているとき、そういえばと思い出した。前に看守につけたGPSが稼働しているか確認してみた。 「まぁそう…

Iron Steam E

">............... 「大丈夫か?」 ラウンジはコートも着ていなく寒いだろう。 私は、ヘルメットとか着けているが、それでも十分に寒い。 北部にある12ブロックは、基本的に一年中寒い。壁に囲まれた12ブロックは、ほぼ別の国と言っても過言ではない。服越し…

Iron Steam D

">正直なところエゴのでるスカーは珍しく、こんな周期で一人出会うとは思わなかった。それにおとなしそうなやつが脱走する勇気を持っているなんて。 "> ">とりあえず少年のために買わなくてはいけない。 麻酔は少し遠くに行かないと売っていない。大体のもの…

Iron Steam C

扉が叩かれ、私は扉を引いた。目の前には3人の男。蜂の巣柄のロングコートに黒いシャツ。白い模様の入った刀を持っている。 組織の一人だ。あとの二人はおそらく警備用のスカーだろう。 「いらっしゃいませ。どのご用件ですか?お金持ちの方がこんなところ…

Iron Steam B

">広い通路に導かれて体育館へ進むと、待っていたのは肉の塊であった。 SPの部下の一人が口を押えて嘔吐する。そのグロテスクな肉塊は精神的にダメージを与えているようだ。私は血の生臭い道を進む。近くで見たら、それはホルンのような化け物であった。どく…

Iron Steam A

">私は戦うために生まれて、そして軽く死んでいく運命。すべての仲間たちは、痛みに疑問を持たずにただただ、舞台に立った人形のように殺し合いという台本を広げる。 私は愚かだ。この戦争と殺し合いが当たり前の世界で戦うために生まれてきたやつが、エゴを…

Memory of Your Voice Ⅻ

【第十四節:逢う】 一日目の朝だ。この日からもう時間はすすんでいる。身支度を済ませ、僕はダイニングへ降りた。 「おはよう、ファイ…悠李君。よく眠れたかな。」 アヤさんがご飯の支度をしている。別にファイルでもいい気がしてきた。 「おはようございま…

【第十四節:逢う】 一日目の朝だ。この日からもう時間はすすんでいる。身支度を済ませ、僕はダイニングへ降りた。 「おはよう、ファイ…悠李君。よく眠れたかな。」 アヤさんがご飯の支度をしている。別にファイルでもいい気がしてきた。 「おはようございま…

Memory of Your Voice Ⅺ

【第十二節 暴走Ⅱ】 「なに…なにこれ。」 家の傍まで走ってきた僕は、目の前に広がる光景をみて呆然としていた。それは、家が脈を打って鼓動している様子だった。血管らしきものが見え、心臓のようにも思える。僕は押し付ける圧と熱風に耐えながら家の中に入…

Memory of Your Voice Ⅹ

【第十一節:暴走】 眼が醒めると僕はいつもの寝室ではないところで寝ていた。まだ家のすべてを見て回ったわけではないが、こんな部屋があるなんて、と初めて知った気がする。いつも寝ている部屋とは違いたくさんの光たちが入ってきていた。特に何か置いてい…

Memory of Your Voice Ⅸ

【第九節:手がかり】 僕がこの図書館にきて、もう実際の時間では2週間経つらしい。思い返してみれば納得だが、体感では違和感を感じる。 二週間がたった今も何も手がかりはなし。場所どころか、自分たちの位置もわからないため探すのは困難をきわめている…

Memory of your Voice Ⅷ

【第八節:違う現実】 「エフさんいいの?いくら実践ではないとはいえ、体使い過ぎじゃない?」 そう言って水を飲むコンさんは、腰に大きな剣を持っている。その剣に付いた血が昼前の太陽の光が反射していた。 「まぁ体はちょっと痛むかな。」 エフさんはあ…

Memory of your Voice Ⅶ

【第七節:歴史】 おかえり。今日は遅かったね。勉強頑張ったんだね。 「う、うぅ…」 またあの夢、誰かが声をかけてくる。それは家族なのか、はたまた本が語り掛けてくる幾度となく行われてきた誰かの記憶なのか、僕にはわからない。 今の僕は元の世界から遠…

goatにある記事の紹介とご挨拶。

こんにちは、えむび~です。 最近、また更新を再開しました。 それに伴って、まったくアクセスされないgoatの記事を紹介したくて書いてます。 実際誰かに見てもらおうなんて目的で書いてなくて、ただ想像したのを発散するためだけに書いて書いて書きまくって…

Memory of your Voice Ⅵ

「あ!…夢か」 初めての朝、昨日のことがあり恐らくつかれていたのだろう。話の後すぐに眠ってしまった。 「ふぁ~あ。どーしたの?」 隣に寝ているフライ君が腕を伸ばしながら言った。 「あ、ごめん。なんでもないよ。」 起こしてしまったようで申し訳ない…

Memory of your Voice Ⅴ

【第五節:戦う力】 階段を上がり、彼のいるという玄関に向かう。少し階段を上った先の広く吹き抜けた玄関。そこにはエフさんが赤黒いローブに見を包み倒れていた。想像を絶する光景だった。お腹の半分はなくなっており内臓がむき出しになっている。彼の周辺…

Memory of your Voice Ⅳ

【第4節食事】 様々な香りに誘われ付いた先には綺麗に置かれた料理が並んでいた。 汁物に焼き魚、米らしきものに野菜や煮物などいかにも和風の料理であった。 この量を人数分そして短時間で作れるとはどちらかというと料理よりそっちのほうが気になっている…

お知らせ。

こんにちは。mbです。 しばらく更新が途絶えてしまい申し訳ございませんでした。 今日から更新が再開します。 記事を見てもらった方はお気づきかと思いますが、1節を1話として更新いたしました。 今までは、数節を1話として投稿をしていましたが、わかりやす…

Memory of your Voice Ⅲ

【第三節・居住】 木でできた廊下を歩く、前には頭3つほど高い館長のエフさん。オシャレなランプでともされた道のわきにはそびえたつ本棚。 (こんな量の本から立った一冊の本を見つけるのか…)当たり前だが気が遠くなるような作業だと感じる。 「あの、最…

Memory of Your Voiceの今後の予定

この度はMemory of Your Voiceを読んでいただいてありがとうございます。 こんにちは、えむび〜と申します。まず、私用によりしばらくの更新が難しい現状がございます。そのため一時的に更新を停止して、新しく誤字や句読点などを修正したものと、第四ページ…

Memory of your Voice Ⅱ

【第二節・出会い】 「いらっしゃいませ。ようこそ図書館へ。」 突然扉が開いた。その下には一人。逆光に遮られ、よくは見えなかったが、背の高い人。声からして男の人だろかそんな予想がつく。しかし 「あの、ここどこなんですか。」 光に照らされ頭やられ…

Memory of your Voice Ⅰ

【第一節:節の始まり】「うわーーーっ!」 純粋な空気に不純物が混ざりこむ。 冷えた空気と遠のいた意識がどんどん僕を奥へ奥へと僕を引きずり込む。ボスッ、暗黒の広がる空間に鈍く混じった音が響く。手をつくと、冷えた地面が出迎えた。「う…いったー…え…