2021-01-01から1年間の記事一覧

Memory of Your Voice Ⅻ

【第十四節:逢う】 一日目の朝だ。この日からもう時間はすすんでいる。身支度を済ませ、僕はダイニングへ降りた。 「おはよう、ファイ…悠李君。よく眠れたかな。」 アヤさんがご飯の支度をしている。別にファイルでもいい気がしてきた。 「おはようございま…

【第十四節:逢う】 一日目の朝だ。この日からもう時間はすすんでいる。身支度を済ませ、僕はダイニングへ降りた。 「おはよう、ファイ…悠李君。よく眠れたかな。」 アヤさんがご飯の支度をしている。別にファイルでもいい気がしてきた。 「おはようございま…

Memory of Your Voice Ⅺ

【第十二節 暴走Ⅱ】 「なに…なにこれ。」 家の傍まで走ってきた僕は、目の前に広がる光景をみて呆然としていた。それは、家が脈を打って鼓動している様子だった。血管らしきものが見え、心臓のようにも思える。僕は押し付ける圧と熱風に耐えながら家の中に入…

Memory of Your Voice Ⅹ

【第十一節:暴走】 眼が醒めると僕はいつもの寝室ではないところで寝ていた。まだ家のすべてを見て回ったわけではないが、こんな部屋があるなんて、と初めて知った気がする。いつも寝ている部屋とは違いたくさんの光たちが入ってきていた。特に何か置いてい…

Memory of Your Voice Ⅸ

【第九節:手がかり】 僕がこの図書館にきて、もう実際の時間では2週間経つらしい。思い返してみれば納得だが、体感では違和感を感じる。 二週間がたった今も何も手がかりはなし。場所どころか、自分たちの位置もわからないため探すのは困難をきわめている…

Memory of your Voice Ⅷ

【第八節:違う現実】 「エフさんいいの?いくら実践ではないとはいえ、体使い過ぎじゃない?」 そう言って水を飲むコンさんは、腰に大きな剣を持っている。その剣に付いた血が昼前の太陽の光が反射していた。 「まぁ体はちょっと痛むかな。」 エフさんはあ…

Memory of your Voice Ⅶ

【第七節:歴史】 おかえり。今日は遅かったね。勉強頑張ったんだね。 「う、うぅ…」 またあの夢、誰かが声をかけてくる。それは家族なのか、はたまた本が語り掛けてくる幾度となく行われてきた誰かの記憶なのか、僕にはわからない。 今の僕は元の世界から遠…

goatにある記事の紹介とご挨拶。

こんにちは、えむび~です。 最近、また更新を再開しました。 それに伴って、まったくアクセスされないgoatの記事を紹介したくて書いてます。 実際誰かに見てもらおうなんて目的で書いてなくて、ただ想像したのを発散するためだけに書いて書いて書きまくって…

Memory of your Voice Ⅵ

「あ!…夢か」 初めての朝、昨日のことがあり恐らくつかれていたのだろう。話の後すぐに眠ってしまった。 「ふぁ~あ。どーしたの?」 隣に寝ているフライ君が腕を伸ばしながら言った。 「あ、ごめん。なんでもないよ。」 起こしてしまったようで申し訳ない…

Memory of your Voice Ⅴ

【第五節:戦う力】 階段を上がり、彼のいるという玄関に向かう。少し階段を上った先の広く吹き抜けた玄関。そこにはエフさんが赤黒いローブに見を包み倒れていた。想像を絶する光景だった。お腹の半分はなくなっており内臓がむき出しになっている。彼の周辺…

Memory of your Voice Ⅳ

【第4節食事】 様々な香りに誘われ付いた先には綺麗に置かれた料理が並んでいた。 汁物に焼き魚、米らしきものに野菜や煮物などいかにも和風の料理であった。 この量を人数分そして短時間で作れるとはどちらかというと料理よりそっちのほうが気になっている…

お知らせ。

こんにちは。mbです。 しばらく更新が途絶えてしまい申し訳ございませんでした。 今日から更新が再開します。 記事を見てもらった方はお気づきかと思いますが、1節を1話として更新いたしました。 今までは、数節を1話として投稿をしていましたが、わかりやす…

Memory of your Voice Ⅲ

【第三節・居住】 木でできた廊下を歩く、前には頭3つほど高い館長のエフさん。オシャレなランプでともされた道のわきにはそびえたつ本棚。 (こんな量の本から立った一冊の本を見つけるのか…)当たり前だが気が遠くなるような作業だと感じる。 「あの、最…